「性の多様性」の法律・条令明記、どう思う?県議に立候補した理由は?<ジェンダーギャップ調査詳報>


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 琉球新報は3日までに、県議48人を対象に、政治分野のジェンダー・ギャップに関するアンケートを実施した。議長職を理由に回答しなかった赤嶺昇氏以外の47人から回答を得た。立候補を決めた理由(三つまで回答可)について、女性議員は「政治を変えたいと思ったから」が多く、現状の変革を理由に挙げ、男性は「地域の課題を解決したいと思ったから」との回答が多かった。

 「立候補した理由」と「選挙中に直面した課題」について、最大三つの選択肢を選ぶ設問にしたところ、立候補の理由で男女に差が出た。男性は地域などの課題に直面して政治家を志したが、女性は社会全般の変革を目指して政治に興味を持つ傾向がうかがえた。選挙中に直面した課題では、女性が「子育てや家事、介護などとの両立」を上位に選んだ。

 女性は立候補の理由に「政治を変えたいと思ったから」(6回答)、次いで「実現させたい政策があったから」(5)、「暮らしやすい社会をつくりたいと思ったから」(4)を挙げた。

 一方、男性は「地域の課題を解決したいと思ったから」(25)、「実現させたい政策があったから」(17)、「政治を変えたいと思ったから」(17)の順番だった。

 選挙中に直面した課題は男女とも「知名度の向上」(男性24回答、女性6回答)、次いで「地盤づくり」(同16、同3)、3位はともに「選挙資金」(同15、同2)、「後援会などの人員体制」(同15、同2)の順だった。女性は「子育てや家事、介護などとの両立」(2)が3位同数(2)となったが、男性はこの項目については6位(4)だった。

 当初、出馬するに当たって家族の理解を得られたか否かの設問では、男性は32人が「得られた」とし、7人は「得られなかった」と回答、未回答は1人だった。女性は6人が「得られた」として1人が得られなかったとした。


性の多様性 法律・条例明記 自民は回答避ける

 性の多様性を法律や条例に明記することについて、野党会派以外の多くの県議は賛意を示した。野党の沖縄・自民は、賛成の呉屋宏氏以外、全員無回答だった。無回答の理由として、多様性などの文言の「意図しない拡大解釈を懸念する」と答える県議が多かった。この理由を挙げた県議は「基本的に多様性は尊重する」との回答が多かったが、会派全体としては明言を避けた形となった。

 賛成の県議は「『多様性』を明記することは1人の人権を受け止めるものだ」(仲村未央氏、沖縄・平和)、「『意図しない拡大解釈をされる』と懸念することが理解できない」(瀬長美佐雄氏、共産)、「マイノリティーの人権を守ることは憲法にも合致している」(上原章氏、公明)などと答えた。

 宜野湾市議会では昨年6月、「多様性の尊重」を掲げた条例案が議論された。市議会与党は条例案の「多様性」や「性別等」などの文言に「意図しない拡大解釈をされる」と主張、条例案は否決されている。