議会の望ましい男女比率は?女性議員を増やすためには?<ジェンダーギャップ調査詳報>


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 琉球新報は3日までに、県議48人を対象に、政治分野のジェンダー・ギャップに関するアンケートを実施した。議長職を理由に回答しなかった赤嶺昇氏以外の47人から回答を得た。政治分野のジェンダーギャップに関する県議アンケートでは、議会の男女比率について、望ましい比率が「ある」と考える議員より、「ない」と答える議員が多く、過半数を占めた。女性県議は7人全員、男女比50%ずつか、女性50%超が望ましいと回答した。

 議会における望ましい男女比率について、望ましい比率が「ある」と回答したのは22人(46・8%)にとどまり、「ない」の25人(53・2%)の方が多かった。女性県議は会派を問わず、7人全員が「ある」と回答。

 政府が「2020年までに指導的地位に占める女性比率30%」と掲げた目標「2030」達成を先送りした要因について、男尊女卑の考え方や社会構造、家事など女性の負担を解消する環境整備の不備などを指摘する一方で、女性の政治への理解が低いとする意見もあった。

 望ましい比率が「ある」とした議員22人のうち、19人は男女比を50%ずつと回答し、理由に「人口比」「平等性」などを挙げた。「男性60%、女性40%」(島袋大氏、沖縄・自民)、「一定期間女性が50%超えてもいい」(仲村未央氏、沖縄・平和)、「49%ずつで男女98%、LGBTの人など2%」(玉城健一郎氏、てぃーだネット)という意見もあった。

 「ない」とした理由に「思いがあれば男女は関係ない」(呉屋宏氏・沖縄・自民)、「比率を決めるとどちらにも制限をしてしまう可能性がある」(次呂久成崇氏、沖縄・平和)、「選挙で当選すればよい。女性が選挙に出る環境づくりが大切」(當間盛夫氏、無所属の会)などの意見があった。

 「2030」達成先送りについて、「これまで女性が正当な評価を受けずに社会の中で活動してきたことの弊害」(翁長雄治氏、てぃーだネット)、「男性政治家らの意識改革が必要」(比嘉京子氏、沖縄・平和)、「日本社会にいまだ根深い男女差別がある」(島袋恵祐氏、共産)、「育児や介護に代表される家事負担の男女格差」(新垣光栄氏、おきなわ)などの意見があった。

 一方で「女性が政治に対して理解がない」(仲里全孝氏、沖縄・自民)とする回答もあった。


女性議員を増やす方策 「両立支援」が最多

 女性議員を増やすために必要な取り組みや環境整備についての設問(三つまで回答可)で、最も多かった回答は「議員活動と育児などの両立支援」(30回答)だった。「クオータ制の導入」(同17)、「男性の理解・支援」(17)、「女性候補者に対する政党の支援」(14)が続いた。

 このほか、「お金がかからない選挙運動」(10)、「女性が政治を学ぶ研修」(9)、「女性の理解・支援」(8)、「ジェンダー・バイアスをなくすための教育」(7)、「議会や選挙でのハラスメント防止に関するルール作り」(5)、「議員報酬や待遇の向上」(4)が続いた。

 上位三つの方策を会派別でみると、「両立支援」は沖縄・自民が11、公明が1、無所属の会が0、沖縄・平和が5、共産が7、てぃーだネットが4、おきなわが2だった。

 「クオータ制」は沖縄・自民が2、公明が0、無所属の会が1、沖縄平和が5、共産が5、てぃーだネットが4、おきなわが0だった。

 「男性の理解」は沖縄・自民が5、公明が2、無所属の会が1、沖縄・平和が2、共産が3、てぃーだネットが2、おきなわが2だった。