プロ野球のパ・リーグでオリックスの宮城大弥投手(19)=宜野湾市出身、興南高出=はルーキーイヤーで1軍登板を果たした。さらなる飛躍が期待される選手に、昨季を振り返ってもらい、新シーズンに向けた抱負を聞いた。 (聞き手 上江洲真梨子)
1年目ながら華々しい1軍デビューを飾り、1勝1敗の結果を残したオリックスの宮城。2軍選手らが出場するウエスタン・リーグでは最多の6勝を挙げ「中継ぎ、先発と両方経験でき、今後の課題も見つかったので来季に克服できるようオフから修正していきたい」と少ない球数で打者を仕留める投球を目指す。
2020年のNPBアワーズではウエスタンの最多勝利投手に、選考による優秀選手賞、スポンサー表彰の殊勲賞、ビッグホープ賞、期待賞と“5冠”を受賞。期待値の高さはフロントだけでなく、ファンも同じ思いだ。
この1年を「濃い時間を過ごせた。1年目で1軍登板したい目標はもちろんあったが、初登板は予想より早かった」と振り返る。
10月に初登板し、11月の日ハム戦で初白星を挙げた。スライダーやカーブはさらに磨きがかかり、厳しいカウントでも際どいコースを直球で突く強心臓は健在だ。「直球はコースが決まれば空振りやファウルも取れた。もう一段階レベルアップさせる。スライダーはキレさえあれば1軍打者でも振ってくれると手応えを感じた」。
ウエスタンで対戦したソフトバンクのリチャード内野手も宮城の投球を「変化球のキレがよくて、対戦した5打席で全敗だった」と賛辞を贈る。
ただ、課題も多くあった。ボールカウントが増えると「(ボールを)置きに行くことが多かった。恐れず初球からキレある投球で仕留めたい。内外のコースをしっかり突けばフルカウントに追い込むことができ、三振や三者凡退も取れる」と球数を抑え、長いイニングの登板を目指す。
チームは19、20年とリーグ最下位に終わった。「たくさん投げてチームの勝利に貢献したい」
無限の可能性を秘めた19歳左腕が、来季の勝利の鍵を握る。