32軍司令部で兵士と壕掘り、うちわであおぐ女性の姿 元学徒らの目撃証言


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首里城地下に広がる日本軍第32軍司令部壕=那覇市首里金城町

 鉄血勤皇隊の野戦築城隊として第32軍司令部壕の壕掘りに動員された沖縄師範学校出身者は本紙取材に、「慰安婦」とみられる女性たちと一緒に壕を構築したり、司令官らをうちわであおぐ女性たちの姿を目撃したりしたと証言している。

 2012年6月23日付の本紙に掲載された元学徒兵らの証言によると、渡久山朝章さんは半袖半ズボンの軍服を着た女性たちと一緒に壕堀りに当たった。兵隊たちは「股の開き方、閉め方が足りない」など再三卑猥(ひわい)な言葉を投げ掛けたことから女性らが慰安婦だと分かったという。

 上原誠徳さんは、司令部壕内の牛島満司令官と長参謀長の食事時間に複数の女性が2人のそばに座り、うちわであおいでいるのを目撃した。色が白く沖縄の女性たちとは明らかに容姿が違う20歳ぐらいの女性たちが壕の中を歩いている姿も見掛けたという。

 富浜定吉さんも「壕の中に華やかな色物の服を着た女性たちがいた」と証言した。