【一問一答】給付金詐欺容疑の税理士「違法行為していない」「悪質な人もっといる」


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税理士事務所の家宅捜索を終え、押収した資料などを捜査車両に詰め込む県警の捜査員=7日午後5時半ごろ、那覇市内

 県警特別捜査本部が詐欺容疑で逮捕した税理士の男(51)は逮捕前の5日、琉球新報の電話取材に応じた。一問一答は次の通り。

 Q:事務所を出入りしていた4人が逮捕されたが受け止めは。

 A:「びっくりした。(逮捕された経営コンサルタント側には)『不正な確定申告はやらない』『変なものは扱わない』と強く言ってきた。1日に何十人と来て、売り上げ台帳や収支内訳書などを(コンサル側が)聞き取りしたものを確定申告した。おかしいものは突き返した」

 Q:取り扱ったものに、不正が疑われるものはなかったか。

 A:「そもそも確定申告は所得の申告に来る人が大半だ。所得の数字を見る程度で勤務実態とかまで調査しない。他の税理士も同様の対応になるはずだ。書類作成は本人の言い分を信じて進める。今回はこれまでゼロ申告だった人たちが、給付金申請のために確定申告を行った。昨年度より増えたことは不思議に思わなかった。警察にも『こんなに申請に来たらおかしいだろう』と言われたが、これまで義務がない人も確定申告し、税金を納めることになれば給付金をもらえるということだ」

 Q:これまでの捜査を受けて感じることは。

 A:「悪質な人はもっといる。(確定申告代行の手数料は)うちは1件で約5万円だった。他の逮捕事例を見ても質が違う。SNSで人を集めて高い手数料を取ったことはない。違法行為はしていないと自信があるから(税理士を)辞めていないし、資格を返納する気もない。確定申告の取り扱いがずさんと言われるのはしょうがない。ただ、ずさんと言っても業界では普通。これで逮捕されるなら他の税理士もびっくりすると思う」