県 3連休後の感染増懸念 成人式、開催是非示さず 時短要請延長・拡大


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 政府の1都3県に対する緊急事態宣言発令を受け、県は社会経済活動への影響を踏まえた感染防止対策「時短営業要請」の延長と地域の拡大に踏み切った。医療関係者らは感染状況が劇的に改善しない現状下で、9日からの3連休に県内各地で成人式が催され、宴会や会食を通して感染が爆発的に急増することを危ぶむ。これを踏まえ県が延長期間を31日に定めたのは、成人式の影響を見定めるためだ。

 玉城デニー知事は緊急事態宣言期間中、1都3県と沖縄間の不要不急の往来自粛を要請した。だが成人式に参加するための来県は不要不急であるかどうかの認識は示さず、各自で判断することを求めた。代わりに成人式参加者の宴会を控えるよう主催者からの周知徹底を求めている。式の開催の是非などを強く示さなかったことが、今後どう影響するかが注視される。

 医療提供体制が弱い石垣市と宮古島市も営業時短要請地域に加えた。両市とも飲食店関係の感染が相次いでおり、石垣市が県全体の9%、宮古島市が同4%の感染者数を占めている。関係者によると、県は昨年末から両市の追加を検討していた。県幹部の一人は「地域ごとのデータを分析して拡大した」と説明する。

 玉城知事はまだ詳細に議論はしていないとした上で「さらに事態が悪化すれば、今度は県民全体に対してさらなる協力をお願いすることもあるのではないかと思う」と述べた。国へ緊急事態宣言の発令を要請することも念頭に置いている。「最悪の事態」を回避するためにも個々人の強い自覚と行動抑制がさらに求められる。

(梅田正覚)