「闘牛女子。」映画化 ひーぷーさん初監督 同郷・久高さんの生涯描く


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 【うるま】テレビやラジオ番組で活躍するタレントの真栄平仁(ひーぷー)さん=オリジン・コーポレーション、うるま市出身=が、昨年5月に死去した闘牛写真家の久高幸枝さんの生涯を基にした短編映画「闘牛女子。」の製作を進めている。自身初となる監督作品で、4月中旬ごろ開催予定の「島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭」で公開する予定だ。

映画「闘牛女子。」出演者やスタッフ、関係者で撮った集合写真(真栄平仁さん提供)

 映画のテーマを何にするか考えていた時に、久高さんの訃報が届いた。「いつか会いたいと思っていた人だった。その願いがかなわなかった」と早すぎる死を惜しんだ。互いにうるま市出身。彼女を取り上げるとすれば、他の人ではなくこの自分が―。久高さんの代名詞「闘牛女子。」をテーマにしようと決めた。

 昨年12月、牛舎やうるま市役所、勝連城跡などで4日間かけ撮影した。久高さんの役には、自身が立ち上げた劇団O.Z.Eの比嘉あずささんを起用。さまざまな人が、久高さんの実のきょうだいや闘牛女子仲間の役を演じている。タレントのくだかまりさんや與那嶺望さんなどうるま市出身者が多く出演する。

映画「闘牛女子。」に込めた思いについて語るタレントの真栄平仁(ひーぷー)さん=5日、那覇市港町のオリジン・コーポレーション

 真栄平さんは「初めての経験で分からないことも多かったが、みんなで『ああしよう』『こうしよう』とアイデアを出し合った。脳みそフル回転。生まれて一番というくらいにとても楽しかった」と撮影を振り返った。劇団で約20年、脚本や演出を担当してきた。映画製作は新たな挑戦。自身にとって大きな一歩となる経験だった。

 映像の編集作業はこれからだが、20分の短編に仕上げなければならない。台本は練りに練った。「久高さんの話を20分で収めるのは本当は難しい。泣く泣く削った話もある」と打ち明けた。参考にしようと、昨年11月に行われた秋の全島闘牛大会も観戦した。

 公開され、見に来た観客には「久高さんの闘牛への愛を感じ取ってほしい。彼女のことをもっと知ってもらいたい」と願う。「いつか長編映画としても撮りたいと考えている」。真栄平さんは、天国の久高さんへ思いを込めた。

(砂川博範)