新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めようと、県は営業時間短縮の要請を柱にした緊急特別対策を発表した。時短要請対象は宮古島市と石垣市を加えた7市となる。関係者からは「この20日間で感染者が少しでも減少すれば」と感染抑止に期待する声が上がった。一方で「廃業につながらないか」「客足が戻るだろうか」と不安視する声も相次いだ。
県に対し7日、時短営業要請の対象地域に八重山を加えるよう求めた県飲食業生活衛生同業組合八重山支部長の浦﨑英樹さん(61)=石垣市=は「迅速に対応してもらいありがたい。この20日間で感染者が少しでも減少すれば、次につながる」と評価した。
宮古島市内の飲食店の多くが加盟する宮古島社交飲食業生活衛生組合の奥平玄信組合長は消毒の徹底や体温確認など「できることをやるしかない。ただただ収束を願う」とため息交じりに話す。午後10時までの営業時間について「キャバクラやスナックは早い時間に客は来ない。実質は『休業しろ』と同じだ」と複雑な心境を吐露した。
浦添商工会議所の浦崎勝専務理事は県の時短要請延長に関し「医療機関の逼迫(ひっぱく)を考えると致し方ない」と一定の理解を示した。その上で「飲食業が廃業につながらないか懸念する。手厚い補償をしてほしい」と求めた。
県内で居酒屋などを展開する味自満チェーンの廣瀬強営業部長は「要請には従うが、大型チェーンにとってはかなり痛手だ。事業者ごとを支援する県の施策だけでは全然足りない」と頭を抱える。新型コロナの影響が長引く現状に「時短要請が解除されて以降も客足が戻るかは分からない」と不安を募らせた。
名護社交飲食業組合の渡久地等組合長は「従業員の雇用を守るために時短営業を見送る店もあるが、感染対策の徹底はお願いしている」とした上で、時短要請期間の延長については「協力金だけでは足りない店も多く、ほとんどが耐えている。一日も早い収束に協力したい」と話した。