子ども医療費「現物給付」新たに9市町村が実施決定・検討 沖縄県自治体の過半数に


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 子ども医療費助成制度で2022年度から県内の市町村全てで中学卒業まで通院費助成の対象が拡大することに関し、窓口支払いの必要がない「現物給付」の実施自治体は県内自治体の半数を超え、26市町村に上る見通しであることが県社会保障推進協議会のアンケートで分かった。既に現物給付している17市町村に加え、新たに9市町村が実施を決定、または検討していると回答した。

 アンケートは同協議会が今月7日までに、現物給付をしていない24市町村に配布し、今後の支払い方法を尋ねた。現物給付を決定、または現物給付の方向で検討していると回答したのは、那覇市、豊見城市、金武町、嘉手納町、与那原町、久米島町、八重瀬町、恩納村、北中城村だった。11市町村は検討中、4市村は窓口で立て替えが必要な「償還払い」の方向と答えた。

 8日、記者会見した同協議会の髙﨑大史事務局長は「市町村は現物給付について深く検討し、模索している」と評価した。一方、現物給付する自治体への国庫補助金を減額するペナルティーが「現物給付のハードルになっている」と指摘。「本来、国が取り組むべき制度なのに本末転倒だ」と批判した。

 同協議会と県保険医協会、母親大会県連絡会でつくる「子ども医療費無料制度を広げる沖縄県民の会」は8日、県にペナルティーの全廃を国に強く要請することなどを求めた。同会は今後、ペナルティーの全廃と国の制度確立を求める署名集めをする。問い合わせは(電話)098(833)3397。

窓口支払いの必要がない「現物給付」の必要性などを訴える「子ども医療費無料制度を広げる沖縄県民の会」の代表ら=8日、県庁記者クラブ