昭和薬科大学付属高校の2年生5人が、琉球王朝時代から受け継がれる伝統工芸品「金細工(くがにぜーく)」の房指輪をモチーフにしたブレスレット「ななちかふぅ」を販売している。高校生がビジネスプランを競う起業グランプリ「リアビズ」に応募し、1次審査を通過。実際に商品を製作した。生徒らは金細工の良さを伝えるため、完売を目指している。
企画したのは矢持李璃花さん、井上陽萌さん、新里いろはさん、田代雅さん、具志堅莉乙菜さん=いずれも(17)。模擬会社「ABouquet(アブーケ)」を設立し、経理、運営、広報など役割分担して商品を開発、販売する。
経理担当の井上さんが金細工の工房を訪れたことがきっかけに。「かわいい商品なのに、周りに知っている人がいなかった。もっと知ってほしいと思った」と今回の開発を提案した。
金細工の房指輪は桃やザクロなど七つのチャームが付いていて、それぞれに「子孫繁栄」「不老長寿」などの願いが込められている。2018年に安室奈美恵さんが県民栄誉賞を受賞した際、記念品として贈られて話題となった。歌手のCoccoさんも金細工を愛用しているという。
生徒らは、日常的に身につけてもらうことを考え、指輪ではなくブレスレットを考案した。自ら金細工工房と交渉し、七つのチャームをデザインに取り入れた。
実際の房指輪の価格相場は数万円だが、生徒らのブレスレットは3800円で販売する。社長の矢持さんは「目的は金細工の文化を知ってもらうためだ。安すぎてもチープなイメージなってしまう」と価格設定の意図を説明した。
商品は100個限定。販売期間は13日から31日まで。
5人は、ツイッターやインスタグラムでPRを続けている。商品購入のサイトはQRコードから。