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沖縄県民の給与を向上させる鍵は?星野リゾート代表らが提起 万国津梁会議


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万国津梁会議で「稼ぐ力」について議論する委員ら=14日、那覇市の県市町村自治会館

 沖縄県は14日、「稼ぐ力」をテーマにした万国津梁会議の第3回会合を、那覇市の県市町村自治会館で開いた。県内平均給与所得の向上のため、企業の経営基盤強化や労働生産性の向上が不可欠とし、中小企業の成長や経営改善について話し合った。3月の第4回会合で、玉城デニー知事に提出する提言をまとめる。県は提言の骨子案で「1人当たり県内総生産の成長」をミッションに掲げ、平均給与所得や県内総生産、経済成長率などの目標数値(KPI)を委員に示した。

 金秀本社特別参与の花牟礼真一氏は「KPIの設定よりも、目標を達成するためのマーケティングや、どう県民に示すかが重要」と強調。副業や複数キャリアを持つ「パラレルワーク」の働き方を積極的に認め、県民の所得の多様化を図ることを提起した。

 オンラインで参加した星野リゾートの星野佳路代表は「沖縄は、観光業など生産性の低い産業の比率が高い。観光産業の生産性をどう引き上げていくかが、1人当たりの給与所得向上につながる」と話した。

 県の嘉数登商工労働部長は「稼ぐ力を検討する背景に、子どもの貧困や教育の格差の解決がある。社会全体の稼ぐ力を高めて、個人所得の向上につなげる」と話した。