「自衛隊を災害即応隊に」市民活動歌手の花岡蔚さんが初の著書


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自衛隊を廃止し「災害救助即応隊」に改編する構想を提起した初の著書を出版した花岡蔚さん=13日、琉球新報東京支社

 【東京】軍隊をなくし恒久平和を実現するために行動する市民活動ミュージシャンの花岡蔚(しげる)さん(77)が、自衛隊を廃止し「災害救助即応隊」に改編する構想を提起した初の著書「自衛隊も米軍も、日本にはいらない!」(花伝社、1650円)を昨年出版した。花岡さんは「軍隊が戦争をつくる。そのことをぜひ知ってほしい。特に現政権支持者や沖縄県民に読んでほしい」と訴える。

 本を書いたきっかけは2017年5月、当時の安倍晋三首相が憲法9条に自衛隊を明記する改憲を実現し、20年に施行したいと明言したことによる。花岡さんは「安倍首相は期限を出してきた。本気で国防軍をつくろうとしている。こちらもカウンターパンチを出さないといけない」と危機感を示す。

 著書では、防衛省を「防災平和省」にし、自衛隊を廃止。「災害救助即応隊」に改編し、希望する隊員を雇用し国内外で災害救助を行うことを提案する。同即応隊は平時は領海や領空を警備する。米軍については、日本の防衛ではなく、世界的軍事戦略上、日本の領土を必要としている、として撤退するよう求めている。

 花岡さんは定年後、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島各県の仮設住宅を訪れ、サックスなどを演奏し演歌を歌う慰問演奏会を開いてきた。13年4月から18年10月までに120カ所を訪問したという。「このままの防災体制では、次の自然災害から住民は守れないと感じた。改憲や再軍備への危機感と重なり、自衛隊を災害救助即応隊にするという考えを本にすることにした」と語った。