PFAS過去最悪の高濃度 嘉手納基地周辺の地下水 基準値60倍も


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 沖縄県環境保全課は18日、昨年9月に米軍基地周辺で実施した有機フッ素化合物(PFAS)汚染に関する夏季水質調査の結果を発表した。国際的に使用・製造が規制されているPFOS、PFOAの合計値で、米軍嘉手納基地周辺の民家地下水で1リットル当たり3千ナノグラムを検出した。この値は環境省が定める暫定指針値(同50ナノグラム)の60倍で、2016年度の調査開始以降で最も高かった。米軍普天間飛行場周辺でも宜野湾市の湧き水「マジキナガー」で1リットル当たり2千ナノグラムを検出し、同じく過去最高値だった。

 県は高い値で汚染が確認されたことについて「基地からの影響である蓋然(がいぜん)性が高いと考えている。国に調査と対策を求めていく」としている。米軍は国際的な規制を受けてPFOSやPFOAの使用を抑制しているが、これらは環境中でほとんど分解されず、汚染が続いている。

 調査地点は嘉手納基地、米軍普天間飛行場、キャンプ瑞慶覧、キャンプ・マクトリアス、キャンプ・ハンセン、キャンプ・シュワブ周辺の54カ所。うち36地点で環境省の暫定指針値を超える値が検出された。嘉手納基地周辺では井戸水や湧き水などを調べ、14地点全てで超過した。

 普天間飛行場周辺では19地点中11地点で環境省の指針値を超過した。マクトリアス周辺は9地点中6地点、ハンセン周辺は5地点中3地点で超過、シュワブ周辺の3地点では指針値を超えなかった。