バイデン新政権に「安心した」「基地問題考えて」 県内から歓迎と注文


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 現地時間20日に発足した米バイデン新政権。トランプ前大統領の在任中の過激な発言や、大統領選後に起きた米連邦議会乱入など、混乱を経て新政権発足を迎えた。米国に住む県系人からは「ひとまず安心した」という声が聞こえた。初の女性・黒人副大統領の誕生を踏まえ、公平な政治への転換を求める声や、沖縄の声を踏まえた政策を求める意見も。米軍基地に隣接する県内自治体の住民は、基地負担の軽減を訴える。

 カリフォルニア州に住む当銘貞夫さん(79)は、大統領就任式のテレビ中継に見入った。「トランプ前大統領の目に余る行動が気掛かりだった」と話す。第46代大統領としてバイデン氏の名前が呼ばれると、安心して涙が出たという。今後の日米関係については「駐日大使には沖縄の事情をよく理解した人を指名してほしい。大統領が新大使とよく相談しながら、沖縄を含めた、日米関係のより良い政策を取ってほしい」と要望した。

 宜野湾市の緑ヶ丘保育園に米軍機の部品が落下した事故を機に、同園の保護者を中心に結成した「チーム緑ヶ丘1207」は昨年、バイデン氏と副大統領に就任したハリス氏に沖縄の現状と状況改善を求める手紙を送った。書記の与那城千恵美さん(47)=宜野湾市=は「子どもたちは騒音や落下物事故の危険にさらされながら学校に通っている。沖縄の子どもたちの人権問題として現状を知り、向き合ってもらいたい」と訴えた。

 米カリフォルニア大バークレー校博士で、沖縄市照屋にある「コザ×ミクストピア研究室」代表の池原えりこさんは、バイデン政権でハリス氏が初の女性、黒人の副大統領に就任したことを歓迎した。「副大統領はマイノリティーの気持ちが分かる人として沖縄のためにも動いてほしい。新政権にはアジアの米軍基地問題を今までより慎重に考えてほしい」と要望した。