かりゆし とまりん撤退通知 来年1月 恩納村へ機能集中


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とまりんからの撤退を検討しているかりゆしアーバンリゾート・ナハ

 県内ホテル業大手、かりゆし(那覇市、玉城智司社長)が22日までに、那覇市前島の複合ビル「とまりん」で運営する「沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ」を閉館し、2022年1月31日で「とまりん」を撤退する考えを施設側に通知したことが分かった。

 かりゆしの平良朝敬会長は本紙の取材に、「コロナの影響で先行きが見えない。経営の選択と集中をしていきたい」と撤退の検討に入ったことを認め、恩納村内に同社の機能を集中させる考えを示した。

 かりゆしは3月をめどに、「とまりん」内にある本社機能を恩納村の沖縄かりゆしオーシャンビーチリゾート&スパ内に移転させる。新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、稼働が落ち込んでいるかりゆしアーバンリゾート・ナハを閉館し、スリム化することで経営改善を図る。

 従業員はグループ内のホテルに配置換えし、雇用は継続する考え。

 かりゆしは2019年に、「とまりん」を運営する第三セクター、泊ふ頭開発との間で、入居賃料を巡って訴訟に発展した。泊ふ頭側は賃料の月額約800万円増額を求めていたが、21年9月から賃料を月額約500万円増額することで両社が和解した。かりゆしによると、賃料の増額によって経営が一層圧迫されることも、撤退を検討する要因となった。

 20日に那覇市や泊ふ頭開発に撤退する旨の通知があった。

 かりゆしの玉城社長は「(アーバンは)採算が取れない。観光客が元に戻るには時間がかかり、待っているわけにはいかない。現在の状況が続くと厳しい」と述べた。