椅子が鳴る、学校でも演奏して…南米打楽器「カホン」 沖縄市・楓葉館が製作


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦
カホンを手にした利用者とカホンチェアを持つ今康平さん(右端)=9日、沖縄市の福祉就労センター楓葉館

 【沖縄】さまざまな木工用品の製作に取り組む沖縄市知花にある福祉就労センター楓葉館で、近頃の人気商品はペルー発祥の打楽器カホンだ。音が美しく響くように試行錯誤を重ね作り上げられたカホンは、南米出身のカホン奏者の支持も得られる完成度を誇る。さらにカホンチェアとして椅子に進化した作品が近々、公共施設向けカタログに掲載される予定で、広がりに期待が高まっている。

 カホン製作の指導を担当する今(こん)康平さんは、椅子の座面がカホンとなったカホンチェアを考案。学校用品向けに製作するなど、新しい試みに取り組んでいる。

 今さんは「おもしろいことも取り入れていきたいと思い、カホンの椅子を作り始めた。教室の椅子がカホンだったら音楽の時間がとっても楽しくなる」と音楽教育の広がりを思い、気持ちを熱く語った。アイデア豊かなカホンチェアは、後ろがスライド式になっており、教材などの収納機能も備えている。

 公共施設向けのカタログを担当する沖縄県農林水産部森林管理課の仲里貴正さんは「県産木材のブランド化を推進しており、公共施設への活用として、県産木材を使用する県内木工事業所のカタログを今回初めて発行する予定だ。(カホンチェアの)環境に優しい木のぬくもりを感じていただきたいと思う」と話した。カタログは3月末までに各市町村へ配布する見通し。

 楓葉館ではカホン以外にも干支(えと)の動物が背もたれになった幼児用椅子や木製おもちゃ、オーダーメードの家具などを製作している。

 購入や木工製作の問い合わせは福祉就労センター楓葉館(電話)098(938)5443。
 (鈴木千聡通信員)