国頭村奥で今季最低気温の6.1度を記録し、冷え込んだ今月9日の夜。金武町のネイチャーみらい館近くの億首川河口付近で、寒さで仮死状態となり縮こまったタツノオトシゴ(クロウミウマ)が見つかった。見つけたのは生物ライターの平坂寛さん(35)。平坂さんが手のひらに乗せると、タツノオトシゴは体を伸ばして動きを取り戻し、水温が高い場所に運ぶと泳いで海に消えていったという。
平坂さんは「冷たい水に接する面積を少なくするためか、命を脅かす緊急事態特有の反応として縮こまっていたのかは分からないが、こういう体勢は初めて見た」と話した。ツイッターに写真を投稿すると1万6千件の「いいね」が付き、話題を呼んだ。
海洋生物を研究する平坂さんは冷え込んだこの日を「チャンス」と思い、干潮時に寒さで仮死した魚を探すために海沿いを探索していた。地面に黒い物体を見つけ、手に取るとタツノオトシゴだった。