有料動画の録画・配信は違法 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[194]


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新型コロナウイルスの影響で、コンサートやトークイベントがオンライン配信されるようになりました。

「生で見られない」など弱点はありつつも「抽選に外れることがない」「交通費が浮く」「配信期間中は繰り返し見ることができる」などメリットもあります。

 

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しかし、こうしたイベントの配信をスマホで録画し、SNSを通じて交換や売買する人たちも出てきています。

当然ながら、無許可で録画しほかの人に渡す行為は著作権侵害【※1】で違法です。

損害賠償の請求、あるいは刑事罰を受ける可能性もあります。オンライン配信の録画は、スマホを使えば簡単にできてしまうため「悪いことをしている」という自覚が薄れるのかもしれません。

また「自分の好きなアーティストの魅力をより多くの人に知ってほしい」という本人なりの善意で、録画データを配布・投稿する人もいますが、気持ちに関係なく違法行為です。絶対にやめましょう。

 

※1 著作権侵害 … 音楽、漫画、映画、小説、美術などの作品には、作者に「著作権」があります。他人が勝手にネット・SNSに投稿したり、売買をすると著作権侵害で違法になります。今回はオンライン配信について書きましたが、「無料で漫画が読めるサイト」「無料で音楽がダウンロードできるサイト」なども著作権侵害で違法状態のサイトであることが多く、そうしたサイトやアプリを使うと違法行為に加担することになります。作者が認めている公式の無料サイトなどもあるので、誰が投稿しているかを注意深く見て判断しましょう。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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昨年の緊急事態宣言による学校休校で自宅待機となった時、音楽や演劇、映画などカルチャーに勇気づけられた人も多いでしょう。

食べ物や睡眠は死なないために必要ですが、カルチャーは私たちが頑張って生きていくエネルギーを与えてくれます。

たくさんの客を集めてイベントができない中、カルチャー業界の人々は死なないために有料オンラインイベントを開催しています。

録画の交換・売買は業界をつぶす行為です。回り回って私たちのエネルギーも減ってしまいます。オンラインイベントもルールを守って楽しみましょう。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/