沖縄の経済情勢、3期ぶり下方修正 総合事務局「コロナ影響、持ち直し緩やか」


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沖縄総合事務局

 沖縄総合事務局財務部は28日、管内経済情勢の1月期判断を発表した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う「Go To トラベル」事業の停止や国の緊急事態宣言の発令を受け、総括判断を「感染症の影響により、厳しい状況にある中、持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている」とし、前回判断(2020年10月)から引き下げた。総括判断の下方修正は20年4月判断以来、3期ぶり。

 1月の経済情勢報告は主に20年9~11月の統計データを基に、直近までの聞き取りを含めて示された。

 主要3項目のうち、観光はGoTo停止などにより「足元では急速に弱まっている」として、3期ぶりに下方修正した。個人消費、雇用情勢は据え置いた。

 9~11月の新設住宅着工戸数は前年比39・1%減の2447戸と、前年を4割近く下回った。同局の聞き取りによると「投資目的の住宅取引が鈍化している」との声や、銀行の貸し出しが慎重になり「アパート建設は資金調達が厳しい」との意見があった。

 先行きについて「感染拡大による社会経済活動への影響が地域経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要がある」とした。

 【個人消費】百貨店、スーパー販売額は前年同期比3・7%減となったが、巣ごもり需要で食料品は堅調。コンビニ販売額は前年を下回っているが、住宅街周辺の店舗を中心に持ち直しの動きがみられる。ドラッグストアは外国客の減少で同7・1%減だった。

 【観光】入域観光客は同61・4%減、10~12月の観光関連施設入場者数は同59・4%減で、厳しい状況が続く。Go To トラベルの全国一斉停止や緊急事態宣言で航空便にキャンセルの動きが見られる。

 【雇用】新規求人数は同29・9%減。多くの業種で前年を下回るが、下げ止まりの動きも見られる。