キャンプ・キンザー倉庫群 嘉手納の移設先を拡張へ 日米が合意


キャンプ・キンザー倉庫群 嘉手納の移設先を拡張へ 日米が合意
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 【東京】在日米軍基地の運用などを協議する日米合同委員会は28日、米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群を嘉手納弾薬庫知花地区に移設する計画に伴い、弾薬庫内の施設配置を当初の基本計画(マスタープラン)から見直すことで合意した。米軍提供施設・区域の面積に変更はないが、基地内の移設対象となる面積は約80ヘクタールとなり、当初計画の約45ヘクタールから大きく広がることになる。

計画変更、返還遅れも

 一方、統合計画で「2025年度またはその後」としたキンザーの返還時期は現段階で見直さず、調整を続ける。基地内を通る市道の移設も行われる。正確な面積は今後詰めていく。

 知花地区には倉庫など14の建物が整備される予定だ。基本計画の見直しは、米側が求める施設防護基準適用の厳格化や、県が区域内を流れる与那原川の支障とならないよう要望したことを受け、実施した。

 見直しに伴い、米軍との共同使用で嘉手納弾薬庫地区内を通る市道知花38号は移設される。米軍施設内に囲まれ「飛び地」となっている民間地へのアクセスに必要な軍道は維持される。

 時期は現段階では見直さないが、知花地区の計画が振り出しに戻ったことで、キンザーの倉庫群の返還時期が遅れる可能性がある。

 統合計画では、基本計画合意後、8年程度で工事を終えるとしている。防衛省は「今回の見直しが移設、返還スケジュールに与える影響について現時点で予断を持ってコメントすることは差し控える」とした。

 沖縄防衛局長から22日に説明を受けたという桑江朝千夫沖縄市長は、「環境面への配慮などから見直されたものとして一定程度の理解をしている」とし、今後も基地から派生する課題について国や県と連携して対応するしていくとした。