【北谷】県は米軍関係者との家庭問題や交際トラブルを抱えた女性の相談窓口「ソリューションセンター あゆむ」を北谷町役場1階ロビーに設置した。公的機関による窓口支援に、識者からは「意義がある」との評価がある一方で、適切な相談環境の整備や関係機関とのスムーズな連携につなげられるよう体制構築を求める声が上がっている。
窓口は人が行き交うロビーの一角を仕切って設けられ、2階からホールを見下ろすと、中は丸見えだ。県青少年子ども家庭課によると、複数の自治体に場所の提供を打診したところ、北谷町が快諾した。
同課の担当者は「プライバシーに関しては問題はない場所と考えている」と説明する。
相談事業では、米軍人などトラブルの当事者との面談や同行支援もするが、基地内の相談支援機関との連携構築には至っていない。同課によると、相談業務と並行して、基地内の支援機関の把握などを進めているという。
1月の運営開始後の相談実績について、同課は本紙の取材に「始まったばかりで、極めてデリケートなことなので」として、明らかにしなかった。
窓口開設の周知はこれからで、今後、各自治体にチラシを配布し、県のホームページでも掲載する予定としている。
ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の心理に詳しい琉球大法科大学院の矢野恵美教授は、プライバシーに深く関わり、秘匿性が高い相談であることを踏まえ、設置場所について「訪れる姿を見られない、目立たない場所が望ましい。相談者の安全安心が保たれる環境を整えてほしい」と強調する。さらに「相談内容も多岐にわたる。トラブルを解決に導くためには、米軍や県内のどの機関との連携が必要になってくるかの仕分け整理が重要だ」と指摘した。
(新垣若菜)