沖縄県は29日、「沖縄県性の多様性尊重宣言(美ら島にじいろ宣言)」案を公表し、県民からの意見募集を始めた。
宣言案では、多様な性や当事者への無理解、偏見は、当事者を追い詰め、命を失うほど深刻な問題であることを指摘し、誰もが自分らしく生きられる沖縄を掲げている。県民の意見募集は2月26日まで。
LGBTの人を巡っては、県が昨年8~9月に実施した県民意識調査で、困難に思うことについて7割以上が「差別や偏見がある」と回答するなど、生きづらさを抱えている現状が浮き彫りになった。調査結果を踏まえ、県は外部有識者でつくる検討委員会を2回開催し、県施策の方向性や宣言の内容を検討してきた。
宣言案では「多様な性に関する無関心・無理解により、差別や偏見にさらされ、生きづらさを感じたり、ありのままに生きられず、時に、命まで失ってしまう事がある」と当事者の苦しみに言及。その上で、県民として、自分の性と全ての人の性の有り様を尊重し、多様な性を理由とする偏見・差別やあらゆる種類の暴力を許さないことなどを宣言している。
宣言案に対する県民からの意見は電子メールと郵送で受け付ける。住所、氏名(団体や企業の場合はその名称と担当者名)、連絡先を記入する。県は個別の回答はしないが、意見の趣旨とこれに対する県の考え方を整理し、後日公表する。問い合わせは県女性力・平和推進課男女共同参画班(電話)098(866)2500。