「Go Toトラベルを機に沖縄へも飛び火」 友知・沖国大教授と河野・中央大名誉教授ら分析


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 【宜野湾】友知政樹沖縄国際大学教授と河野光雄中央大学名誉教授が30日までに、新型コロナウイルスの感染拡大に関する研究報告「日本におけるCOVID―19拡散の時系列ダイアグラム(図表)」を公開した。政府の「Go Toトラベル」などのキャンペーンが実施された時期に、大都市圏から沖縄などの地方に感染が拡大した状況を浮き彫りにした。

 感染者数はNHKがまとめた都道府県ごとの人数を基にした。昨年5月に緊急事態宣言が解除された後も東京都などで感染者が出続け、政府の「Go Toトラベル」キャンペーン前にも東京や大阪府、愛知県、福岡県などで一定数の感染者が確認されていた。

 その後の状況を「Go Toトラベルを機に全国的に飛び火した。特に沖縄県への飛び火は顕著で、その後も沖縄県ではCOVID-19の炎が継続している」と指摘した。

 また「Go Toイート」によって首都圏の感染がさらに拡大。昨年12月の「Go To」キャンペーン停止後も感染拡大の「勢いは継続している」とした。

 その上で、独自の数理モデル(連立微分方程式)に基づいた分析を踏まえ「無発症感染者は発症隔離感染者の16倍近く存在することから、PCR検査を抑制している日本の感染状況は甚大と言うべきだ」と強調した。研究報告は沖縄国際大学のホームページで公開されている。