沖縄県が基地問題冊子を更新 県民投票「民意が明確」 軟弱地盤改良「環境に甚大被害」


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軟弱地盤について解説する「沖縄から伝えたい。米軍基地の話。Q&Aブック」の1ページ

 沖縄県は31日までに、沖縄の米軍基地問題を分かりやすく伝える冊子「沖縄から伝えたい。米軍基地の話。Q&Aブック」を更新した。名護市辺野古の新基地建設を巡る2019年の県民投票や軟弱地盤の問題、日米地位協定に関して他国の状況との比較を追加した。初版は17年に作成した。

 冊子には、沖縄に基地が集中するようになった背景や基地被害のほか、地位協定や辺野古新基地について基礎知識を記している。県民投票について投票総数の71・7%が埋め立て反対に投じた結果を紹介し「辺野古埋め立てに絞った民意が初めて明確に示されたことは大変重要な意義がある」と説明した。

 辺野古埋め立て予定地の広範囲に軟弱地盤が存在しており大規模な改良工事が必要であることを解説している。地盤改良工事で「水が濁り、周囲のサンゴ類など環境に甚大な被害も想定される」と指摘した。

 建設予定地や周辺にある断層が、地震リスクが高い「活断層」であるという地質学者の指摘も記載。辺野古について「軟弱地盤と活断層などで多くの問題があるため、基地の建設予定地として適切ではない」と述べている。

 地位協定を巡って県が調査したドイツやイタリア、ベルギー、イギリスとの比較表を掲載した。原則として国内法が米軍に適用されない日本の地位協定の問題を鮮明にしている。

 冊子は県ウェブサイト(https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/tyosa/qanda_r2.html)でダウンロードできる。