辺野古サンゴ訴訟きょう判決 農相の是正指示の是非を判断


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埋め立てや護岸工事が進められる新基地建設現場=2020年9月3日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸

 名護市辺野古の新基地建設に向けた大浦湾のサンゴ類移植を巡り、沖縄県が国を相手に起こした関与取消請求訴訟の判決が、3日午後2時半から福岡高裁那覇支部(大久保正道裁判長)で言い渡される。沖縄防衛局のサンゴ特別採捕申請を許可するよう農林水産相が県に是正を指示したのは違法な関与だとして、県が指示取り消しを求めている。新基地建設を巡る県と国の訴訟は9件目。

 農相の指示について、県側は「地方自治体への国の関与は最小限であるべきという、地方自治の原則に合致しない乱用的なもの」と主張する。移植申請の処分を保留していたことについては「埋め立て工事は大幅に変更される見込みで内容も確定していないため、申請が妥当か判断できる状況ではなく、審査が必要」として正当性を訴える。

 一方、国側は請求棄却を求めている。「防衛局の申請は環境監視等委員会で検討され、環境保全措置として適正なもの」とし、許可しない県の対応は「著しく適性を欠き、行政の事務遂行として不公正」と反論する。標準処理期間を過ぎても許可しない県の対応が違法なので、是正指示は適法と主張している。

 防衛局は2019年4月と7月、県にサンゴ類の移植許可を申請。県が判断を保留する中、昨年2月、防衛局の申請通りに移植を許可するよう、農相が県に是正を指示した。県は指示が違法だとして国の第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出たものの退けられ、昨年7月に提訴した。