翁長、KYOJO COP最終戦をVで飾る 「もっと強くなり、応援されるドライバーへ」成長誓う


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表彰台の真ん中でトロフィーを掲げる翁長実希=1月30日、静岡県の富士スピードウェイ(インタープロトモータースポーツ提供)

 女性レーサーのみで競う自動車シリーズ「KYOJO CUP(競争女子)」は1月30日、静岡県の富士スピードウェイ(4563メートル、12周)で今季の最終戦となる第4戦を行い、翁長実希(KeePer VITA)=浦添商高―沖縄国際大4年=が頂点に立った。タイムは2位の三浦愛と1秒073差の24分13秒169。参戦2年目となる翁長のシリーズランキングは、失格でポイントなしとなった第3戦の結果が響き、総合ポイントで首位の三浦に13ポイント及ばず、2季連続の2位となった。競技車両はVITAレースカー。

接戦の中でも安定した走りを見せる翁長実希(手前)(インタープロトモータースポーツ提供)

 2番手スタートの翁長実希。前を走るのは、フォーミュラカーレースのF3などでも実績がある国内女性ドライバーのパイオニア、三浦愛。格上相手に、2周目で翁長が早速仕掛ける。

 ヘアピンカーブの立ち上がりで三浦が失速した隙にインからかわしてトップに。4周目、加速力で上回る三浦にホームストレートで距離を詰められ、再度抜かれる。それでも「コーナーを速く曲がるマシンに仕上げてきた。直線で詰められるのは分かっていた」と動じない。背後にぴたりと付け、隙をうかがう。

 次の周回、コーナーで三浦のラインが若干膨らんだタイミングを見逃さず、再び内側から抜いた。「毎周回ベストを狙って安定した走りを」と後続を引き離していく。しかし、9周目で最後の山場が訪れる。

 三浦との激しい接戦で接触があり、大会本部から警告旗が出された。一瞬、反則スタートで失格となり、「自信を失った」という第3戦の悪夢が脳裏をよぎる。精神面の揺らぎを感じたが「ベストの走りをしようと気を取り直した」。そこから一度も抜かれず、最後までトップを守った。

 総合ランキングで三浦に及ばなかったが「F3まで出場した選手の強さを近くで見て、結果以上にたくさんの収穫があった」と技術、精神面共に実りの多いシーズンとなった。フォーミュラレースへの参戦も見据え「もっと強くなって、応援されるドライバーになりたい」と成長を誓った。