塩屋ウンガミをアート作品に 北海道の作家がやんばるアートフェスで展示


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作品を紹介するシルキオ・プロジェクト代表の木野哲也さん(右)=1月23日、大宜味村の旧塩屋小学校

 【大宜味】大宜味村の旧塩屋小学校など北部各地を会場に開催されている「やんばるアートフェスティバル」(同実行委員会主催)で、北海道のアート活動団体「シルキオ・プロジェクト」の3人の作家が塩屋ウンガミをテーマにシルクスクリーンなどの作品を展示し、話題となっている。

 シルキオはアイヌ語で“模様のついた”という意味。地域の神話や伝承、歴史、自然を文様や柄に表現する活動を行っている。同実行委員会から参加依頼を受け、昨年12月に来村。塩屋ウンガミに関連する場所を訪れ、たくさんの地域住民から聞き取りをし、御願儀式やハーリー競漕(きょうそう)、奉納角力など一連の行事をシルクスクリーンなどの手法で作品化した。

 リサーチに協力した関係者の名前も紹介されている。旧塩屋小学校の会場に展示されている作品を鑑賞した地元の60代の女性は「大宜味から遠く離れた北海道の作家さんに表現していただき感謝したい。改めてこの行事を守っていきたいと思った」と話した。

 シルキオ・プロジェクトの木野哲也さんは「塩屋ウンガミが住民にとっていかに大切なものなのかを感じた。作品からその思いが伝わればうれしい。大宜味村や塩屋湾の地域の方にぜひ見ていただきたいと思う」と述べた。

 宜野湾市から訪れた前田研介さん(33)、愛さん(31)は「沖縄の北と南でこんなにも違う文化や行事があることに驚いた。それを北海道の方が表現していることにも感動した」と作品に見入った。展示会は21日まで。
 (安里郁江通信員)