ミャンマーの友「私たちを助けて」 クーデターの切迫、沖縄の高校生が伝える


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クーデターが起きたミャンマーの実情を伝える球陽高校3年の上阪きらりさん=4日、沖縄市南桃原の同校

 沖縄県立球陽高校3年の上阪きらりさん(19)は4日、2年生の地理の授業でミャンマーのクーデターを伝える特別授業を行った。ミャンマーの友人(19)から「ミャンマーで起きていることを伝えてほしい。(民主化運動が弾圧された)1988年のような歴史が繰り返されようとしている。私たちを助けて」というメッセージを受け、社会科の教諭に相談し、授業が実現した。

 友人とは小学6年の時に参加した国際交流のイベントで出会った。英語を話せなかった上阪さんに、身ぶり手ぶりで話し掛けてくれたくれたという。その後は連絡が途絶えたが、昨年、会員制交流サイト(SNS)を通し、イベント参加者とつながった。

 友人からメッセージが届いたのは、クーデターが起きた1日夜。国軍による統制で「ワイファイが切られてしまう前に」と記されており、切迫した状況が分かった。その後、メッセージのやりとりはできたが、通信が不安定で電話は通じなかったという。

 授業では、クーデターの様子を伝えるニュース動画を流した後、友人からのメッセージを紹介した。「何かをしてほしいというわけではなく、同年代の子がクーデターに巻き込まれているという事実を知ってほしい」と訴えた。

 生徒らは「SNSで発信したい」「調べて広げることが、(ミャンマー国軍に対する)国際圧力になる」と意見を述べた。上阪さんは大学受験のまっただ中。貴重な時間を割いて授業したが「私は受験に落ちても来年がある。今はミャンマーで起こっていることを伝えるべき時だ」と話した。