ユーモア全開!巧みな話芸で笑い誘う 志ぃさーが古典落語の沖縄版2題を披露 ぴらつか音楽祭


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 音楽や芸能など沖縄関連のイベント情報を伝える月刊誌「箆柄暦(ぴらつかこよみ)」は、公式サイトのリニューアルを記念して「ぴらつか音楽祭2021+オンライン」を1日、無観客配信ライブで開き、うちなー噺家(はなしか)・志ぃさーの落語独演会が催された。志ぃさーは「ドルそば」と「天(てぃん)から赤猫(あかまやー)」を披露。沖縄の歴史や人物などを題材にし、志ぃさーのユーモアあふれる話芸で楽しませた。生配信には約50人の視聴者があった。

配信ライブで沖縄落語「ドルそば」を披露するうちなー噺家・志ぃさー=1日、那覇市

 「ドルそば」は、那覇のそば屋で金武からやってきた客が、お世辞を言い、巧みに話しながら、そばの代金をごまかす。それを見ていた三良がコザの食堂で同じことを試みる。古典落語「時そば」を沖縄版にしたもので、巧みな話芸と人物の様子を描き、日本復帰前のコザの情景を思い浮かばせた。

 「天から赤猫」は、那覇の「壺屋通り」で、掘り出し物の作品を金持ちに転売し稼ぐ男が食堂に入る。食堂で飼われている数匹の猫の餌入れにされた皿が、人間国宝・金城次郎の高価な大皿であることを知り、皿を手に入れようと奮闘する。登場人物や猫の描写が生き生きと演じられた。古典落語「猫の皿」を基に仕立てられた。

 リニューアルされた同サイトでは、新型コロナウイルスの影響で急速に増えているオンラインイベントに対応するため「公演」「配信」「アーカイブ」の項目に分けて表示する機能などに刷新された。今後は、英語と中国語での表示機能も追加されるほか、配信イベントの企画も行う。

 「箆柄暦」を発行する「NPO沖縄イベント情報ネットワーク」の萩野一政理事長は「将来的には沖縄のアーティストのライブや芸能を全国や海外に届けたい」と話した。沖縄ITイノベーション戦略センターの2020年度のアジアITビジネス活性化推進事業の一環。

 (田中芳)