決勝3枠を目指し狙うは満点 鏡が丘特支校チームの挑戦続く ボッチャ選抜甲子園予選


社会
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 パラリンピック種目であるボッチャの第5回全国選抜甲子園がオンラインで8日に開幕し、県内から鏡が丘特別支援学校の琉球ミラーイーグルスが出場している。今年は新型コロナの影響で、全国の参加校がそれぞれの学校で競技を実施。四つの課題(エンド)に挑戦する様子を動画撮影し、採点する。予選期間の8~12日の期間に何度でも撮り直しでき、それぞれの課題の総得点を競う。全国で50校が予選に挑んでおり、得点順に3校のみが3月6日のオンライン決勝に進む。

勾配具を使って投球する琉球ミラーイーグルスの髙良愁(右)

 最も優しい1エンドは、投球ラインから比較的近い位置に的になるジャックボールが置かれ、その前後に相手が投げたことを仮想した赤い球が前後に1球ずつ並ぶ。最初の投げ手の座波ひかり(中等部3年)は10回ほど左腕を振って青い球を投げ、相手の赤い球をはじいた。続く伊波興乃慎(高等部1年)と髙宮城愛乃(同2年)が得点圏に青球を寄せ、満点の6点を獲得した。

 ボールを投げられない髙良愁(同1年)はランプ(勾配具)の角度などを指示して投じると、見事にヒットさせるなど活躍し、2エンドと3エンドはそれぞれ1点、4エンドは3点で、9日の試技(チャレンジ)では計11点を取った。

 通常は対戦形式で行われ、一発で勝負が決まるが、今回は予選期間中に試技を繰り返すことが可能。最も高い得点が予選突破の材料となる。

 10日も動画撮影する予定で、髙宮城は「惜しいプレーがあったので、あしたはもっと良くなる」と意欲を燃やす。予選会2日目の結果に座波は「1度目の挑戦で満点を取れた。練習の成果のたまもの」と喜んだ。9日のプレーを終えた後、メンバーは「満点を取ろう」と確認し合った。

全国に挑む琉球ミラーイーグルスの(左から)髙良愁、伊波興乃慎、座波ひかり、髙宮城愛乃=9日、浦添市の鏡が丘特別支援学校

 鏡が丘特支は今年の九州代表で、大会には4年連続の出場。3回連続出場となる主将の伊波は「開催されてほっとした。何度も取り直せるのはチャンスだ」と新しい大会方式にも順応している様子。これまでの最高成績は2年前の全国ベスト8。決勝3枠を目指して挑戦を続ける。

(古川峻)


【用語】ボッチャ あらかじめ投じられた白い球のジャックボール(目標球)に、赤や青の球を投げたり転がしたりし、自球をいかに近づけるかで得点を競う。ジャックボールに当てて位置を動かし、相手の得点圏をずらすこともできる。手で投げることのできない選手は勾配具(ランプ)を用いてボールを投じる。団体戦は3人で1人2球を使う。「地上のカーリング」とも呼ばれる。