大型MICE計画、20年度中の策定見送り 沖縄県、コロナ影響で遅れ


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沖縄県庁

 与那原町から西原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区で、沖縄県が進めている大型MICE(マイス)施設と周辺整備の計画について、県は2020年度中の基本計画の策定を見送ったことを明らかにした。

 新型コロナウイルスの影響で、不動産市場などの再調査が必要となったため策定に遅れが生じた。

 当初は20年度中に基本計画を公表し、21年度は実施方針を策定し、開発事業者の公募に向けた手続きを進める予定だった。基本計画の新たな策定・公表の時期は未定で、MICE施設整備の計画はさらに遅れが出ることとなる。県は21年度に約3500万円の予算を充てて追加調査や基本計画の策定を目指す。メインとなるMICE施設の周辺には、ホテルや商業施設の誘致も計画しているが、コロナ禍の状況で民間の投資意欲や市場動向の変化が懸念されるため、再調査する。

 大型MICE施設の整備は、財源と見込んでいた沖縄振興特別推進交付金(一括交付金)の交付を国が認めず、県は昨年6月に、行政と民間が連携して公共サービスを提供する「パブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)」の手法で事業化する方針を決めた。県の担当者は「見通しが立てば、なるべく早期にとりまとめて計画を策定したい」と話した。