「女性差別の発言は論外」 森会長辞意、沖縄県内スポーツ界も厳しい目


この記事を書いた人 Avatar photo 大城 誠二
国立競技場の千駄ヶ谷門

 女性蔑視発言で国内外から強い批判を受けた東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が11日、辞意を固めた。沖縄県内スポーツ界からも厳しい声が上がった。

 2000年シドニー五輪で女子重量挙げに出場した平良真理さん(45)=嘉手納高教諭=は「世界平和やフェアプレー、差別をなくそうと、価値ある大会を作り上げている最中で、開催地の長があのような発言をしたのは残念」と声を落とす。指導者として「男女差なく役職をもらっている」と競技関連で性差を感じることはない。森会長を「スポーツに理解がある方」と評する一方で「あの発言が世界に発信されてしまった。もう戻れない」と辞任もやむなしと見る。五輪開催への影響も懸念されるが「アスリートの思いをくみ、どうしたら開催できるかをアピールしてもらいたい」と組織委に期待した。

 現役選手の見方も厳しい。平良さんと同様に「差別的な発言が出てしまったことは残念」と語ったのは、東京パラリンピックの代表に内定している上与那原寛和さん(49)。障がいがあるアスリートが限界に挑むパラリンピックは、誰もが個性や能力を発揮し、活躍できる公正な機会が与えられている場だ。上与那原さんも「競技、性別を問わず、みんなでスポーツに取り組むことが多様性にもつながる」と話した。東京パラの開催も不透明な状況だが「やることをやっていくしかない」と日々の練習に向かう。

 カヌースプリントで東京五輪出場を目指す當銘孝仁さん(28)も「女性差別の発言は論外」とばっさり。一方で森会長を「あの役職にいたのは他にできる人がいないから。政治力を含めよくやっていたんだと思う」と評す。だからこそ差別的な発言による辞任は「余計に残念」と感じる。五輪への影響については「この問題が直接的に影響するかは分からない。スポンサーの意向や世論次第なのでは」と淡々と語った。