「レンタルホテル」開始 Mr.KINJO運営のMR 月、年単位で貸し出し


「レンタルホテル」開始 Mr.KINJO運営のMR 月、年単位で貸し出し
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県内大手のホテルチェーン「Mr.KINJO」の運営会社「MR」の金城太一代表が13日、琉球新報の取材に応じ、那覇市内の約400室をめどに、部屋を月単位や年単位で貸し出す「レンタルホテル」事業を始めることを明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、那覇市内のホテルの収益率が極端に落ち込んでおり、新たな事業を展開することで損失を縮小させる考え。金城代表は「損切りをすることで企業としての体力を蓄え、コロナ後の反転攻勢につなげていきたい」と語った。

コロナ後へ体力蓄え

 「Mr.KINJO」は不動産会社で勤務していた金城代表が、2015年4月に那覇市辻に1号店をオープン。多くはオーナーが建てた物件を借り上げる形で、県内各地に開発を続けてきた。

 各部屋にキッチンが付いたアパートタイプのホテルで、低価格で泊まれる手軽さもあって急成長してきた。

 MR社によると、21年2月現在の部屋数は約2千室まで拡大している。

 金城代表によると、新型コロナの影響を受けた20年2月ごろから、外国人観光客の減少によって、客室数の半数を占める那覇市内のホテル単価や稼働率が落ち込んでいる。

 一方、本島中北部や離島の店舗は地元客を中心にした利用で利益は確保できており、那覇市内の赤字分を他地域のホテルの収益で穴埋めして運営を続けてきたという。

 那覇市内で新たに始めるレンタルホテル事業は、家具や家電付の1ルームが月3万8千円から利用でき、広さや立地によって料金は異なる。割安に長期滞在できるプランで客室の稼働を高める。

 リモートワークやレンタルオフィスなどの需要も見込んでおり、すでにホームページで利用者を募集している。

 金城代表は「インバウンドなど、那覇市内の観光客が戻るには1年以上かかると思う。那覇市内の損失をこのまま埋めていくよりも早めに体制を転換し、コストカットをすることで、大きく黒字が出せるようなモデルをつくっていきたい」と語った。

 那覇市内ホテルの収益悪化による運営会社譲渡や、既存ホテルの売買などについては「考えていない」として否定した。

 感染症終息後もレンタルホテル事業については続けていく考えで、コロナ禍での実証を元に今後の収益の柱としていく考えだ。
 (池田哲平)