【南風原】沖縄県南風原町内の中学校が4月から制服選択制を導入する。通常は各校の判断で実施するが、自治体としての導入は県内初。町内に南風原と南星の全2校があり、誰でも現在ある制服から選択できる。両校は生徒や保護者から個別に相談を受けて対応してきたが、今春から制度として設ける。
学校関係者は目的について「男子はズボン、女子はスカートをはかなければならないという価値観にとらわれず、自らの個性を否定せず主体的に考え、表現できるようになってほしい」と話した。
両校は保護者や生徒にアンケート調査をして意識調査をしたり、講演会や授業を実施したりして、考えを深めてきた。
南風原中の當間保校長は「なぜ性別で決められた制服を着なければならないのか、なぜ機能性に応じた選択ができないのかなど、これまで当たり前とされてきたことを見直すきっかけになった」と話した。
同中2年で生徒会長の又吉ねねかさん(14)は「寒い日にはズボンをはくとか状況に応じた選択ができる」と喜んだ。
2年の久手堅世奈さん(14)は「自分の性に悩む子が制服を選べるのはよかった。今までの考え方が変わっていくはずだ」と期待した。
2年の島袋智輝さん(14)は「もしも制服を変えた友人が何か嫌なことを言われたら励ましたい。受け入れるのに時間がかかる人もいるかもしれないが、みんなで普通のことにしていきたい」と話した。