バスガイドが平和講演会「語り続けること大切」 歌と三線も披露 糸満・真壁小


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
三線を弾きながらてぃんさぐぬ花を歌うてぃーだ観光のバスガイド=17日、糸満市の真壁小学校

 【糸満】人間は戦争をするためではなく、幸せになるために生まれてきた―。糸満市立真壁小学校(渡辺英二校長)は17日、同校体育館で、沖縄戦や沖縄のちむぐくるを伝えるバスガイドとして知られるてぃーだ観光取締役の崎原真弓さんと、同僚4人のバスガイドを講師に招き平和講演会を開いた。ガイドは歌や三線を使い沖縄の歴史や文化を伝え、沖縄戦の悲惨さや平和の尊さを語り掛けた。参加した150人の全校生徒は手拍子をしたり、静かに耳を傾けたりして平和への思いを新たにした。

 講演会はバスガイドの與那覇琴恵さんの息子が同校の6年と3年に在籍しているのが縁。「卒業前に平和の大切さを伝えたい」との思いで学校側と相談し実現した。與那覇さんらガイドは三線を弾きながらてぃんさぐぬ花や安里屋ユンタを歌い上げた。

 崎原さんは沖縄空手の型を披露して琉球王国の歴史を説明。「琉球の先人たちは人を愛し自然を愛し、そして平和を愛した」と語った。76年前の沖縄戦で戦死した人に黙とうした後、崎原さんは頭巾をかぶり、戦争体験者のおばあに扮(ふん)し、戦争で犠牲となった学徒や命懸けでガマに逃げ込んだ親子の話を涙ながらに伝えた。「戦争は人間の心を破壊する。二度と繰り返さないために学び、語り続けていくことが大切」と語り掛けた。

 最後はガイドの三線の音色に生徒も一緒になってユイマールの歌を身ぶりを交えながら歌い、互いに助け合う心を確かめ合った。

 講演後、児童らは学年を問わず次々に挙手し「平和や文化についてもっと知りたいと思った」「三線と歌がうまかった」「空手が上手だった」などと率直な思いを語った。