勝連(オムロン)躍動も敗れる 鮮やかな速攻を連発 日本ハンドボールリーグ


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オムロン―HC名古屋 前半、左サイドからシュートにいくオムロンの勝連智恵=20日、八重瀬町の東風平運動公園体育館(大城直也撮影)

 日本ハンドボールリーグ(JHL)女子のオムロン(熊本)は20日、ホーム戦として八重瀬町の東風平運動公園体育館で、暫定6位のHC名古屋と今季第14戦を行い、23―25で敗れた。7勝7敗で5位のまま。残り2試合を残して5位以下が確定し、プレーオフ進出を逃した。オムロンは前半、石垣市出身の勝連智恵(大阪・宣真高出)が速攻を仕掛け3得点するなど15―10でリードしたが、後半は攻撃のリズムが狂い8得点にとどまり、終盤にひっくり返された。JHL女子の沖縄開催は琉球コラソンの監督を務めた水野裕紀監督率いるオムロンがリーグに申し入れ、実現した。

 鮮やかな速攻だった。オムロン左サイドの勝連智恵はGKからのロングパスをしっかり捕球し、中央に駆け上がる。GKとの1対1。空中姿勢を保ち相手の動きを見定め、確実にネットを揺らした。この日4得点中3得点を速攻で奪い、チームを勢い付けた。

 「攻守の切り替えを速くすることを意識している」と言葉通りの動きを見せて主導権を握った前半に3得点。GKがシュートをセーブする瞬間を見定め、一気にセンターラインを超える。高めのロングパスも、ものともせず振り向きざま跳びはね片手で捕球する。高いバランス感覚を見せつけ、冷静なループシュートも披露した。守備の面でも初動の速さが際立っていた。

 4歳まで石垣島で暮らし両親の転勤で名古屋に移った。ほとんど県外で育ったが、沖縄で試合ができることは「特別でうれしい」と自然と気合が入った。

 チームは残念ながら逆転負けしてしまいプレーオフ進出も逃したが「残りの試合を戦い抜いて来季につながるようにしたい」と走り抜ける。個人的には東京五輪の選考レースも待ち受けるだけに一戦一戦の重要性が増している。 (謝花史哲)