総務・企画部、男性多数なのは「適性」? 職員ら「残業させやすい」の声も


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 琉球新報は県や11市の職員を対象に匿名のアンケートを実施し、性別による部署の偏りについて見解を聞いた。部署で偏る原因について、総務や企画系の部署で「残業が多い」ことや、福祉系部署で「女性が向いている」という固定観念があるとの指摘が上がった。一部には男女の固定的イメージを信じ込み、性別による適性があるとの認識を示す回答もある。

 総務や企画に関する部署について、那覇市職員の20代女性は「激務で残業も多いイメージ」だと説明し「子育て中の女性が希望せず、その結果、男性が多く配属されているのではないか」と述べた。子育てや家事を女性が多く担っている現状が人事配置にも影響している可能性を示唆した。

 同様の回答は複数あった。35歳男性は「以前よりも感じなくなったが、まだ子育てにおける意識の違い、女性に偏りがある」と指摘し「(総務や企画系の部署に)比較的残業をさせやすい男性の配置が多いように感じる」と述べた。

 性別に関する固定観念が配置に影響していることを示唆する意見もあった。ある市の福祉系部署で働く51歳女性は「所属している市がまさにそういう(偏ってる)状況だ」と答え「女性の方が向いているとの固定観念でもあるのか。分かりません」と述べた。「組織のあしき慣習」(30代女性)との批判も上がる。

 職員自身が男女のイメージを述べて性別による部署の偏りを肯定するような記述もあった。県職員の男性(30)は「総括や企画する能力が男性の方が高いから」と述べ、ある市役所で働く40代女性は「管理部門には忖度(そんたく)が要る気がする。男性は忖度ができるからか」と推測した。現状に対し「企画などにも女性の意見は大切だ」(那覇市、32歳女性)と改善を望む声も上がった。

 一方、ある市役所で働く20代男性は性別への固定観念について「そんなことはない。教育・福祉関連で男性が、総務・企画関連部署で女性が活躍している所もある」と否定した。40代男性は「総務、企画の女性の割合は特に気にならない。適正配置だ」と答えた。

 そのほか、40代女性の県職員は「責任が重い職場に配置できる人が、今はまだ男性に多いのかもしれない」と分析しつつ「今は過渡期だと思うので、女性もそのような場所に配置された時には頑張ってほしい。男女問わず『できない』と言う人に責任ある業務は任せられない」と述べた。

 県や県内11市の職員に匿名でのアンケート記入を呼び掛け、31人が回答した。