米軍面積減で玉城知事「政府に数値目標の設定求める」 ワクチン接種、副知事人事も質疑<県議会代表質問まとめ>


社会
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 県議会2月定例会は24日、代表質問が始まった。富川盛武副知事の任期満了に伴い、県政策参与の照屋義実氏を後任に充てる人事案を提出したことについて、玉城デニー知事は「(照屋氏は)富川副知事が進めてきた取り組みをしっかりと引き継いでいただき、長年の経済界での活躍など豊富な実務経験や知識を生かされ、経済政策などの推進に取り組んでほしい」と述べ、議案への同意を求めた。照屋守之氏(沖縄・自民)への答弁。

 一方、守之氏は義実氏が建設業界出身だとして「公共工事の受注企業であり、利益誘導の恐れがある」などと指摘し、人事案の撤回を求めた。池田竹州総務部長は「(義実氏から)全ての役職を退任する旨、本人から意思表示を受けており、地方自治法の規定には抵触しない」と述べた。

 県が在日米軍専用施設面積を、全国の50%以下とする方針を打ち出していることについて玉城知事は「具体的な数値目標を日米両政府の協議で設定し、実現することを政府に求める」と答弁した。また金城賢知事公室長は「(返還施設は)基地の提供責任者の日本政府と実際に基地を運用する米国が協議し、数値目標を設定することが実現可能性を高める上で有効だ」などと話した。いずれも下地康教氏(沖縄・自民)への答弁。

[基地]低空飛行続けば駐日大使要請も

 

 下地康教氏 訪米は予算の無駄遣いではないか。

 金城賢知事公室長 バイデン新政権が発足し、連邦議会議員が改選され、海兵隊再編が議論されているこの時期の訪米は、沖縄の基地問題の実情を訴えるための好機で、非常に意義がある。

 下地氏 米軍機の低空飛行中止を駐日米国大使に直接、要請すべきではないか。

 金城知事公室長 今後も提供施設区域外で低空飛行訓練が繰り返されるなら、駐日米国大使への要請も検討していきたい。

 照屋守之氏 浦添市長選で那覇港湾施設(軍港)の移設についても信任を得たと考える。見解を伺う。

 金城知事公室長 市長選で軍港受け入れを表明している松本哲治市長が当選した。軍港の浦添移設について一定の民意が示されていると理解している。


 

[コロナワクチン]小規模離島は同時接種検討

 照屋守之氏 市町村のワクチン接種に関する取り組み状況は。

 玉城デニー知事 県ではワクチンチームを立ち上げ、人口規模や地理的条件など、地域の実情に合わせて検討している。特に小規模離島は、クラスター対策と医療崩壊を防ぐため、高齢者と高齢者施設などの従事者、その他の住民の接種を同時期に行う柔軟な対応ができるよう、国と調整を図っている。円滑な接種に向け、市町村、医師会、関係医療団体と連携し、万全な体制で取り組む。


 

[経済]時短営業協力金 支給割合は45%

 照屋守之氏 時短要請の協力金の対象店舗数、申請件数、支払件数は。

 嘉数登商工労働部長 (協力金支給の)申請状況は2月19日時点で、(最初に対象となった)5市の分が申請5473件に対し、支払い済み2472件、支給割合は45・2%となっている。全市町村を対象とした協力金は2月8日から受け付けを開始し、順次審査を進めている。

 仲田弘毅氏 MICE事業に応募を示した企業数と財源確保の見通しは。

 玉城デニー知事 MICEエリア形成事業への参入意欲を持つ民間事業者は複数確認できている。事業者からは感染の収束を見通せる状態になってからの方が、より積極的な検討を進めやすいとの意見も出ている。マリンタウン全体に民間投資を呼び込むことで、新たな税財源などを確保したい。

 下地康教氏 鳥インフルエンザが西日本で多発している。県内養鶏農場の飼養衛生管理の順守率は。

 長嶺豊農林水産部長 昨年12月時点で順守率は79%だった。指導を行った結果、今年2月には99%に改善した。万が一発生した場合に備え、全庁動員体制の構築や連絡体制の確認、防疫資材の備蓄を行っている。


 

[首里城]国営と県営区域 防災対策連携へ

 照屋守之氏 首里城火災の防災対策について議論はどうなっているか。

 上原国定土木建築部長 首里城公園は国営区域と県営区域のそれぞれに防災センターが設置されていたが、火災時における情報共有と災害に対応する体制について、首里城公園全体としての仕組みが十分ではなかった。

 国と県では、国営と県営区域が円滑に連動、連携が可能となるような仕組みを構築する。首里城全体を一体的に管理できるよう防火対策の調整をしている。