【伊江】製糖業における季節工などの労働環境整備を図るための伊江村農業従事者等宿泊施設がこのほど完成し、落成式典が22日、同施設で開催された。
2024年度から製糖業にも時間外労働の上限規制が適用され、操業体制は現在の2交代制から3交代制に移行する。雇用人員の大幅拡大に伴い、製糖期間中の宿泊施設確保が課題となっていた。内閣府の沖縄製糖業体制強化対策事業を活用し、18年8月から事業が進められていた。総事業費は約2億4071万円。同事業による宿舎整備は県内で初めて。
現在、伊江村黒糖工場で働く従業員は約40人で、うち3分の1は村外からの季節工。これまでは、JAおきなわ伊江支店が所有する20人規模の宿泊施設で対応していた。
式典で島袋秀幸村長は「立派な施設の完成で快適な生活環境が図られ、村のさらなる農業振興の発展に寄与することに期待する」とあいさつした。
同施設は補強コンクリートブロック造の2階建て。全26戸で1部屋あたり14・88平方メートル。冷蔵庫やテレビ、洗濯機やエアコンなどの家電製品が完備され、キッチンやベッド、バストイレが付いた1ルームタイプ。JAおきなわが管理を担う。
同施設はJAおきなわ伊江支店の西側に隣接し、スーパーやコンビニエンスストア、郵便局が近くにあり、好立地な場所にある。
製糖期間以外は葉たばこや花卉(かき)栽培など、村外や県外から来る農業従事者が利用し、一年中活用できる運営体制を予定している。
(金城幸人通信員)