県内で例のない「パンなし」給食 八重山地区、子も親も困惑…献立の多様性懸念


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 八重山地区の学校給食からパンが消える可能性が浮上し、生徒や保護者からは戸惑いの声が漏れる。県内でも初めての事態とみられ、関係者は食育の観点での懸念を示す。

 県学校給食会の職員が26日、石垣市教育委員会を訪れ、市教委や給食センター職員、PTA役員などに経緯や現状を説明した。会合後に取材に応じた市教委総務課の仲間千加史課長は、市内のほとんどの学校で冷凍パンでの対応や市販のパンの提供も難しいことを説明した。「4月以降、当面はパンの供給ができない。米飯か麺に置き換えて対応するしかない」と述べた。新年度の早い段階で、児童・生徒や保護者を対象にパン食に関するアンケートを実施し、今後の対応策を検討する。

 市内の女子中学生(14)=中学2年生=は「パンが出る木曜日は(給食前の)4時間目からわくわくしている。ミネストローネとかクラムチャウダーは、何と食べればいいんだろう」と困惑した。小学1年生の子供がいる男性会社員(35)は「ご飯だけだとやっぱり飽きてくる。(パンが)なくなるとさみしい」と話した。
 県学校栄養士会の宜保律子会長は「食育はいろいろな食材に触れることが大切だ。パンが出せないと、献立に多様性がなくなってしまう」と懸念を示した。

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