プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは2月28日、富山市総合体育館で富山グラウジーズ(東地区4位)と対戦し、85―76で快勝した。通算成績は29勝10敗で西地区首位のまま。2位三河が負けたため、地区優勝へのマジックナンバー「18」が再点灯した。完敗した前日から守備を修正し、激しい当たりで第1Qは相手をわずか8点に抑え、流れをつかむ。最後まで守備の強度は落ちず、90点近い平均得点でリーグトップの攻撃力を誇る富山を76点に抑えた。リーグ出場79試合目となったジャック・クーリーは通算千リバウンドを達成。高校生のハーパー・ジャン・ジュニアはこの試合をもって特別指定選手としての活動を終了した。次戦は3日午後7時35分から、沖縄市体育館で三河と対戦する。
前半を17点リードで折り返し、数字上では完全に優位に見えたが、後半に向けてリスクも潜んでいた。攻撃を抑えるための激しい守備と引き替えに抱えたファウルトラブルだ。
ジャック・クーリーと並里成は既に三つ、ドウェイン・エバンスとキム・ティリも二つ。しかし、キングスが消極的になることはなかった。
古巣の富山との対戦となった船生誠也が振り返る。「前日は富山の方が守備とルーズボールで頑張っていた。自分たちはそこにプライドを持っているチーム。『もう一回強度を上げてやろう』と試合に入った」。言葉通り、チームは後半もパスコースをふさぐ「ディナイ」やゴール下でのポジション取りを徹底した。
高い強度の代償として38本ものフリースローを与えたが、簡単なフィールドゴールを許さない展開に富山は15本をミス。最終的にキングスは4人がファウル四つを犯したが、一人も退場者を出さずにプレッシャーの高さを維持した。
3点弾3本成功に加え、相手ビッグマンとのマッチアップでも体を張ったティリは「自分やクーリーがベンチにいる時も仲間が高い強度でプレーし、40分間一定の強度で戦えた」とチーム力の高さを誇った。
キングス 29勝10敗
85―76(25―8,21―21,22―22,17―25)
富 山 25勝14敗
◆非常にタフな試合
藤田弘輝HC(キングス)の話 前日はファウルが重なった後に消極的になってしまった。この試合のテーマはプレーハード。フリースローを38本打たれて非常にタフだったが、自分たちのバスケに集中できた時間帯が長かった。こういう試合を積み重ね、ステップアップしたい。