副知事の選任、記名投票へ 自民は無記名を要請 「造反」狙いか


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沖縄県議会(資料写真)

 沖縄県議会は9日の議会運営委員会(當間盛夫委員長)で、10日の本会議で採決する照屋義実氏=県政策参与=の副知事選任案の採決方法(無記名または記名投票のいずれか)について、本会議冒頭に無記名投票で決めることを確認した。ただ、過半数を占める与党4会派(24人)が記名投票を求めており、本会議では記名投票となる公算が大きい。副知事選任案は8日の総務企画委員会で与党による賛成多数で同意されており、本会議でも同意される見通し。

 県議会では通常、賛否が分かれる議案については、起立により採決が行われるが、8日午後に野党会派の沖縄・自民(19人)が赤嶺昇議長に対して無記名での投票を要請した。背景には与党内の「造反」を促す狙いがある。一方、与党4会派は自民の動きを受け、会派代表が緊急会議を開き、自民に対抗する形で記名投票の実施を議長に要請した。

 県議会の会議規則では議場での採決方法について、無記名投票の場合、議員は投票用紙に賛否だけを記す。記名投票の場合は、賛成議員は白票、反対議員は青票を投じる。10日の本会議ではまず無記名投票の賛否について決を採り、否決された場合は記名投票の賛否について決を採る。

 仮に副知事人事案で無記名投票が実施されれば、大田県政時代の1997年12月に提案された吉元政矩副知事の再任案以来となる。8日の総務企画委員会は、会派おきなわを含む与党7人が賛成、野党自民の4人が反対、中立の無所属の会の1人が退席した。公明党は同委員会に所属しておらず、副知事案の賛否については本紙に対し「ぎりぎりまで話し合う」(公明幹部)としている。