沖縄でプロスポーツは成功するのか 県内本拠地チームの経営者4氏が座談会


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沖縄でのスポーツビジネスについて話し合う(左から)沖縄SVの〓原直泰CEO、琉球アスティーダスポーツクラブの早川周作代表、琉球フットボールクラブの倉林啓士郎会長、沖縄バスケットボールの安永淳一取締役=8日、豊見城市豊崎のTOYOSAKIプラットフォームセンター

 沖縄スポーツ・ヘルスケア産業クラスター推進協議会が主催するオンラインセミナーが8日、豊見城市のTOYOSAKIプラットフォームセンターから配信され、沖縄を本拠地にして躍進するプロスポーツチームの経営者4人が一堂に会した。「人口140万人の沖縄でスポーツチームは成功するのか」をテーマに、沖縄でのスポーツビジネスの可能性を話し合った。

 登壇したのは、卓球の琉球アスティーダを運営する琉球アスティーダスポーツクラブの早川周作代表、サッカーJ2のFC琉球を運営する琉球フットボールクラブの倉林啓士郎会長、サッカー九州リーグの沖縄SVを率いる〓原直泰CEO、Bリーグ琉球ゴールデンキングスを運営する沖縄バスケットボールの安永淳一取締役の4氏。

 卓球Tリーグで初のリーグ王者に輝いた琉球アスティーダスポーツクラブは、東京証券取引所内の「東京PROMarket(プロマーケット)」に新規上場を申請している。早川氏は「チケットやスポンサー収入に頼らない運営体制を確立したい」と話した。球団と並行して経営する飲食店などの事業について、「スポーツチームのバリュー(価値)を横展開する。スポーツにさまざまなものを掛け合わすことで、魅力を高めていく」と話した。

 沖縄SVは、ネスレ日本(神戸市)とともに、県内でコーヒー栽培に取り組んでいる。フランチャイズとして、脱毛サロン店も経営している。〓原氏は「多様な取り組みで収益を出すことで雇用を生み出し、スポーツに還元していく」と話した。島嶼(とうしょ)県という地理的な制約については「アジア圏をターゲットに、観光とITにスポーツを掛け合わせれば、新たな見せ方ができる」と話した。

 キングスの安永氏は、NBAネッツのディレクターとして企画、運営などに携わった経歴を持つ。4月からホームゲームで使用する予定の沖縄アリーナ(沖縄市)について「大勢の人が集まっても快適なように、ユーザー目線でつくっている。チケットの販売数が増えるという意味以上に、日本人が大好きな、甲子園のような聖地となれることが大きい」と話した。

 J1昇格を目指すFC琉球の倉林氏は、企業に期待する資金提供以外の支援について「副業で運営を支えてくれている人がいて、非常に助かっている。人材の面で支援をしてくれると大きい」と話した。

 次回は16日午後3時から「県外チームから見た沖縄キャンプのポテンシャル」をテーマに、湘南ベルマーレの水谷尚人社長らを迎えて開催する。

※注:〓は、「はしご高」