照屋副知事案に与党の賛成多数で同意 沖縄県議会


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副知事人事案で記名投票が行われた県議会=10日、那覇市

 沖縄県議会は10日の本会議で、副知事を退任した富川盛武氏の後任に元県政策参与の照屋義実氏を充てる人事案を賛成多数で同意した。与党の沖縄・平和(8人)、共産党(7人)、てぃーだネット(7人)、おきなわ(2人)の24人が賛成した。野党の沖縄・自民(19人)、中立の公明党(2人)、無所属の会(2人)の23人は反対し、票差は1票だった。照屋氏は11日付で副知事に就任する。照屋氏は10日にてるまさグループ代表を退任した。

 県議会では、賛否が分かれる議案は起立により採決が行われるが、10日の本会議は、与党から要求のあった記名投票により採決が行われた。自民が求めていた無記名投票は、公明、無所属の会も賛成したが、過半数に達せず否決された。

 採決の前に賛成討論に立った国仲昌二県議(てぃーだネット)は「照屋氏にはこれまでの民間企業経営に携わった実務経験を生かし、コロナ禍で厳しい状況にある県経済の回復、中小企業・小規模事業者の再生、沖縄の振興発展に寄与することが期待できる」と語った。

 反対討論に立った島尻忠明氏(沖縄・自民)は「県政の重要課題である次期振興計画策定に向けて4月には制度提言の最終報告があり、12月には計画案の答申が待っており、待ったなしだ。なぜこの時期に起用するか到底理解できない」と述べた。

 本会議ではこのほか、第15次となる総額約192億円の本年度一般会計補正予算案や県新型コロナウイルス感染症対応中小企業事業資金調達支援基金条例の制定なども全会一致で可決した。