【糸満】東日本大震災発生10年になるのに合わせ、糸満中学校で2月24日、「生命のバトン~生命のつながり~東日本大震災から考える」と題した3年生の道徳の授業が行われた。当時の映像や新聞紙面からどのような災害だったのかを知り、家族を亡くした人やボランティアの話から、命の尊さ、命をつなぐこととは何かを考えた。生徒たちは「大切な人との一日一日を大事にしたい」などの意見を発表した。
3年生にとって最後の道徳の授業となったこの日、体育館に全員集まって行われた。冒頭、10年前の震災を覚えているかと問われ、手を挙げたのはごくわずか。発生当時の動画や新聞紙面を見て、東北を中心に大きな被害を出したことはもちろん、全国各地に影響を及ぼしたことが説明された。
宮城県で妻と娘、義理の両親を失い、語り部として活動する佐々木清和さんや、遺族に対面させるために遺体をきれいにするボランティアをした納棺師の笹原留以子さんの話も紹介。笹原さんが書いた「おもかげ復元師の震災絵日記」を、9人の教員がリレーで朗読した。遺体と対面したときの遺族の様子などをつづった文章に、生徒達は聞き入った。
最後に、命をつなぐこととは何か、自分や周りの人の命について考えたことを4クラスの代表が発表した。
津波古花咲さんは「命をつなぐとは、(亡くなった)その人を忘れないこと」と述べ、比嘉秀語さんは「大切な人はいついなくなるか分からない。感謝の気持ちを忘れないでいることが大切」とした。羽佐間裕斗さんは「一日一日を大切にしたい」と思いを語った。ピッツ・瑠菜・リーさんは「道徳で学んだことをこれからも大切にしたい」とまとめた。