種苗ベンチャー「アースノート」が破産 負債総額は17億


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アースノートが研究開発や生産販売していたイネ科の植物「ソルガム」

 東京商工リサーチ沖縄支店と帝国データバンク沖縄支店は10日、種苗ベンチャーのアースノート(名護市、徳永毅社長)が、1日に那覇地裁から破産開始決定を受けたと発表した。債権者114人に対し、負債総額は17億1580万円。原因は既往のしわ寄せで、負債総額10億円以上の大型倒産は2年8カ月ぶり。

 同社は2007年に設立、イネ科の植物「ソルガム」の研究開発、生産販売を主体に事業を展開していた。ソルガムの抽出物からバイオエタノールを精製する研究開発を実施していた。県の亜熱帯・島しょ型エネルギー基盤技術研究事業などで約8億円の交付金を受け取るなど注目を集め、ソルガムを県外や国外に出荷し、2017年12月期は売上高16億5144万円を計上していた。

 しかし、研究開発費など先行費用をカバーすることができず、債務超過を脱することができなかった。さらに、18年2月に販売していた海外事業者から売掛金の回収不能が発生、資金繰りを改善できず、企業存続が難しくなった。