沖縄でコロナ変異株8例確認、全員が回復 新規感染29人【3月12日朝】


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
新型コロナウイルスの変異株の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 玉城デニー知事は11日、県庁で記者会見し、新型コロナウイルスの「変異株」が県内で初めて確認されたと発表した。確認された変異株は2種類で、計8例の感染があった。変異株への感染者は全員が回復した。接触者などを追跡調査した結果、他の人に感染が広がった可能性は低く、県は「現在は収束した状況にある」としている。

 8例のうち2例は、世界保健機関(WHO)が警戒を強めている「N501Y」と呼ばれる変異株への感染だった。このうち1例は、世界で感染拡大が進む英国型変異株と確認された。もう1例は「判定不能」だが、推定感染源は同じだった。

 別の6例で確認されたのは「E484K」変異株。ワクチンの有効性への影響が懸念される変異タイプで、海外から移入したとみられるが起源は不明。県はN501Y変異株よりは警戒レベルが低いことを理由に、感染事例の詳細は公表していない。

 N501Y変異株は従来のウイルスより感染力が高いことが懸念されている。世界で感染が広がっている「英国型」「ブラジル型」「南アフリカ型」はいずれもこの変異性質を含む。9日までに国内21都府県で345例が報告されている。県内で感染が確認された2例は県内在住の10代男性と40代女性。1月末に県外から帰省した陽性者との、濃厚接触者だった。2月上旬に発症した。経過観察になって以降、不特定多数との接触はない。

 玉城知事は「今後も変異株の検査を強化する」とした上で、感染対策の徹底や送別会や謝恩会の開催を控えるよう呼び掛けた。

 新規感染者は29人

 県によると、11日の県内新規感染者は10歳未満から90代の29人だった。このうち11人が接触感染と推定され、18人は感染経路調査中。1週間当たりの新規感染者数は10万人当たり9・80人で全国4位。

【関連ニュース】沖縄で確認された変異株について詳しく知る