<ひと>沖縄副知事に就任した照屋義実さん 経済界とのコミュニケーション向上に意欲


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照屋義実さん

 名護市辺野古の新基地建設阻止で一致して、そのほかの政策は「腹八分、腹六分」でまとまる「オール沖縄」勢力を象徴する存在として、数々の選挙の候補に挙がってきた。これまで全て固辞してきたのは、建設会社の2代目社長として「3代、75年続く経営の基盤を作る。そうしないと先代に顔向けができない」との思いがあったからだ。

 建設業の照正組社長を務め、県建設業協会会長や県商工会連合会会長などを歴任。名護市辺野古の新基地を造らせない「オール沖縄会議」の共同代表も務めた。2015年8月、県政策参与に就いた。

 昨年6月に会社経営を息子に託し、「経営の責任を担う重責から解放された」。玉城デニー知事から今年1月末に副知事への就任を打診され、家族の許可もあり、引き受けた。

 沖縄に対する思いを自身で作った造語「尚豊愛郷(しょうほうあいきょう)」で表す。意味は「わが愛する古里沖縄、心も姿も美しく、なお豊かで有れかし」

 新型コロナウイルスで疲弊する県経済の立て直しを期待されている。「長い間、経済界に身を置いてきた。意見を頂戴しながら施策に生かしたい」と、県と経済界とのコミュニケーション向上に意欲を示す。県議会では与野党が対立し、自身の副知事に選任する議案も1票差の可決だった。「難産の子はよく育つと言われている。私自身もよく育つ副知事でありたい」と表情を引き締めた。

 妻との間に子ども5人。趣味は県内有人離島巡りで、「多良間村の水納島を除いて全部行った」。与那原町与那原出身。福島大卒。73歳。