復興支援の感謝、新聞で届ける 那覇で岩手日報の特別号外を配布


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特別号外を配布する岩手日報社の東根千万億社長(右)ら=11日正午ごろ、那覇市のパレットくもじ前(喜瀬守昭撮影)

 岩手県の県紙、岩手日報社(東根千万億(あずまねちまお)社長)は11日、震災復興の今を伝える3・11「特別号外」800部を那覇市のパレットくもじ前で配布した。県内での配布は昨年に続き2回目。那覇市消防局や県内新聞社の社員らが協力した。

 特別号外は2冊20ページで、6千人超の被災者らの声を紹介してきた連載「津波てんでんこ」の分析や、沖縄など他府県と岩手との縁をつなぐ人々などを紹介している。11日昼前に開かれたセレモニーで東根社長は「県内外、国内外から岩手へ支援をいただいている。号外を通じて、感謝を伝えたい」と語った。正午過ぎに配布が始まると、多くの人が号外を手に取り、紙面をめくった。

 号外を受け取った國場信子さん(85)=那覇市=は、被災地への思いを込めた自作の短歌を東根社長に手渡した。「震災の ニュースをみては 涙ぐみ 手助け出来ず 心ばかりを 託してみます」。自身も阪神淡路大震災を経験した。現場で支援ができず「もどかしかった」と言い、寄付を贈るなど支援した際の思いを込めた。

 岩手日報社は2012年以降毎年3月11日に全国各地で特別号外を配り、復興支援に対する感謝と復興状況を伝えている。今年は2万8400部を発行し、うち1800部を青森市と秋田市、那覇市の街頭で配布した。全国の全中学校約1万100校にも郵送した。