沖縄県産卵の輸出12倍に急拡大 シンガポール向けに年間128トン、国内シェア47% ENグループ


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 シンガポールと香港で、沖縄県産卵を使った料理専門店「たまご園」を展開しているENグループ(ピーター・ン社長)は12日、2020年に沖縄からシンガポールに輸出した鶏卵が、日本全体の約半数を占めたことを発表した。19年6月にシンガポールで1号店が開店した「たまご園」の好調な事業展開が輸出増を後押ししており、ピーター・ン社長は「さらなる店舗拡大と、県産卵の輸出拡大を進めたい」と意気込んだ。

 県内からシンガポールに鶏卵を輸出するのはENグループだけ。財務省の貿易統計によると、沖縄地区税関を通じた20年の鶏卵の輸出量は128トンで、19年の11トンから約12倍の急拡大となった。

 20年に日本全体のシンガポールへの鶏卵輸出量は272トンだったため、沖縄からのシェアが47%を占めている。

 ENグループが輸出する鶏卵は、琉球飼料(崎濱秀敏社長)と共同で開発したオリジナル卵。19年6月からシンガポール向けの輸出を始めた。輸出された卵は、シンガポールと香港で計13店舗を展開する「たまご園」で使われる。

 店頭での主力メニューの一つは、「究極のTKG(卵かけご飯)」。卵の生食文化がない現地で卵かけご飯がヒットし、新規出店を続けている。

 「たまご園」は現在、シンガポールに8店舗あり、22年度中に12店舗まで拡大する予定だ。香港では現在の5店舗を、22年度中に9店舗まで拡大する。

 琉球飼料の當山全隆取締役営業部長は「オリジナル卵の味と新鮮さが現地で受け入れられ、輸出量増加につながっている」と話した。